卸売業D社 自力事業再生の例
建材卸売業 D社 資本金72,000千円、従業員15名、年商6億円の場合
◆関与前の状況
会社は、上流(製材業)からセットで建材を販売する多角化の一環で建材卸売業へ進出した。
高度成長、住宅ラッシュの波に乗り、主に既存顧客であった大手ハウスメーカ一数社を相手に一時代を築き上げた。
しかし外部環境の変化と大手依存の体質であったことが災いし、1社の取引停止で30%の売上を失うはめになった。
このため小口分散を行い、豊富な資金力を武器に信用力の低い大工など100社に販売するようになった。しかし、売上の
大手依存のリスクは回避されたが、今度は回収リスクが増してしまい、不良売掛400,000千円を抱えることとなった。
加えて外部環境は悪化の一途をたどって8期連続売上減少、5期連続営業・経常赤字となっていた。このため資金の穴埋めを
すべく借り入れが雪だるま式に増加していった。
◆ご相談の経緯
顧問税理士からの紹介である。
◆改革の状況、効果
まず、根本の原因を把握するため、事業の現状を定量面(数値面)、定性面に分けて分析し、事業調査を行った。事業再生
領域の用語でいうところの事業デューデリジェンスである。この調査における報告書類は、会社外部の専門家からみて、会社
が強い部分、弱い部分を客観的に示したものであり、目標収益力(会社が持てる力を100%発揮した場合に捻出できる利益)
を示すものである。この報告書をもとに、幹部と数回の打ち合わせを重ね、改革の余地のある個所の共通認識を図った。
そしてそれをもとに事業計画、営業計画、資本計画(支店の統廃合計画)を作成し、実行することとなった。そして金融機関
への事業計画の説明会を開催し、12ヶ月の元金猶予とリスケジュール(約定金額のおよそ3分の1へ減額)を依頼した。結果、
4カ月の交渉期間は掛かったものの、金融支援案を了承してもらった。一方で、絵に描いた餅とならないために2回/月程度の
頻度で営業マン教育を実施し、営業力の底上げを図った。結果、初年度は営業赤字記録を踏み止まらせることに成功。売上も
微増ながら増加に転じたことで連続9期の減少記録も阻んだ。